これらの型紙は、明治・大正〜昭和初期のころ、彫刻刀等を使って「彫り師」と呼ばれる職人の手で彫られたものです。
彫ってゆく紙は、和紙に柿渋を何度も塗った後で煙で炙り、防水性・防虫性を持たせ強くしています。(新品の紙は煙の匂いがします。)
特にリピートパターンの小紋柄には、日本工芸が誇る「かみわざの手作業」が見てとれます。細い糸が付いている型紙は、切取り部が大きいデザインの補強として生まれた技法で、どちらも今ではシルクスクリーン技法に替わっていることから、大変貴重な資料です。
デザインがヒットするとその型紙で大儲けできることとなり、呉服屋や染物屋では集積保存の資産でした。故に、紙の強度が求められたのも分かりますね。
本学図書館には、この型染技法に関する図書やDVDもありますので、是非ご覧ください。