展示:トニー・ガルニエ 『工業都市』

■Une cité industrielle = 工業都市
トニー・ガルニエ 著 ; 吉田鋼市 編訳著
中央公論美術出版, 2004年刊

新着図書の中からトニー・ガルニエの『工業都市』(オーギュスト・ヴァンサン社刊) のファクシミリ版をご紹介します。

■『工業都市』について
『工業都市』はトニー・ガルニエがローマ留学時代から手がけた164枚の図版からなる図面集です。ガルニエの理想とする工業を基盤とした近代都市が描かれています。この図面集はゾーニング制で描かれており、都市は市街地、工業地区、保健・衛生地区の3つの地区で構成されています。また、描かれた建造物には鉄筋コンクリートという当時では新しい材料が用いられています。

■トニー・ガルニエ(1869-1948)について
フランスの建築家で、近代都市計画の先駆者の一人として知られています。ガルニエは1869年、フランス、リヨンで生まれました。幼い頃より図画の才能があり、リヨンにある国立高等美術学校エコール・デ・ボザールに進学し、建築を学びました。卒業後、今度はパリのエコール・デ・ボザールに入学、何度かの挑戦の後1899年にフランスの芸術大賞であるローマ大賞を受賞しました。受賞後はローマに留学し、そこで『工業都市』を描き始めています。

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