展示:レオナルド・ダ・ヴィンチ関連図書

◆連続展示企画 貴重書架より 第3回「パリ手稿」
本学所蔵の貴重書の中から、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿・素描集を順次紹介しています。

「パリ手稿」
アウグスト・マリノーニ原典翻刻および校訂
岩波書店 1989.2-1995.4
da Vinci3-1 da Vinci3-3 da Vinci3-2

本学所蔵の「パリ手稿」は、フランス学士院図書館の原本を複製し、イタリア語原典翻刻を日本語訳したもので、日本では115部限定で発売されたものです。
パリ手稿は、Jを除くAからMまでの12巻で構成されており、ミラノのアンブロジアーナ図書館に保存されていたのですが、1795年ナポレオン1世が北イタリアを侵攻した際に、アトランティコ手稿とこの手稿をフランスに持ち去りました。
後にナポレオンが戦いに敗れ、北イタリアから持ち去った略奪品は返還されるのですが、この手稿は何故かフランス学士院の図書館に取り残されてしまいました。今日、この手稿のことをパリ手稿と呼び、レオナルドの生涯と作品を研究する上で大変貴重な資料として扱われています。

パリ手稿Bは、1840年代に盗癖のある伯爵によって16紙葉がイギリスの書物収集家アッシュバーナム卿に売られてしまいました。その16紙葉はアッシュバーナム手稿Ⅰとして、現在はパリ手稿と同様にフランス学士院図書館に収蔵されています。そのため、2冊に分かれて存在しています。パリ手稿Aも同様の経緯で2冊に分かれています。